Re-NPSHとは、ポンプが運転するときに羽根車の入口部分が真空にならないように加えておかなければならないヘッド(揚程)のことです。
厳密な説明ではありませんが、言い方を変えればRe-NPSHとは、「ポンプが自分の内部に持っている、吸込み側の抵抗」または「ポンプでの圧力低下」と考えることも出来ます。
なぜRe-NPSHが必要?
水が羽根車の内部に流入すると、流速が増加して圧力が急激に低下する部分が発生します。
つまり、吸込配管からポンプの間で圧力が一番低くなるのは、ポンプ吸込口ではなく、さらにポンプの内部に入った羽根車の入口(通称目玉部分)のすこし内側ということになり、そこを通り過ぎると今度は圧力が上昇します。
この最低圧力部分で圧力が飽和蒸気圧まで低下すると、キャビテーションが発生します。
従って、このポンプ内部の圧力低下分を考慮する必要があります。
これが、ポンプのRe-NPSHと呼ばれるものです。
Re-NPSHは
(1) 同じポンプでも、吐出し量が大きいほど大きくなります。
(2) 回転が高くなると、大きくなります。
(3) 口径の大きい大水量のポンプでは、かなり大きな値となります。このため、ほとんど吸上げ運転が出来ない場合もあります。