遠心ポンプの能力は、揚液の比重により次のように変化します。(4℃の水の比重を1とします。)
吐出し量(m3/min): 変化なし
全揚程(m): 変化なし
吐出し圧力(MPa): 比重倍
比重が0.9の場合、吐出し圧力は水の場合の0.9倍となります。
軸動力(kW): 比重倍
比重が0.9の場合、軸動力は水の場合の0.9倍となります。
但し、粘度が水と同等の場合に限ります。粘度が水と異なる場合は別途粘度による検討が必要です。
≪例と注意点≫
ポンプの能力を揚程(単位m)で表すか、圧力(単位MPa)で表すかで、比重による影響が変わってきます。
例えば、吐出し圧力が0.098MPa(1.0kgf/cm2)の場合、水なら高さ10mまで揚げることができます。 同じポンプで、比重が0.9の液を使用する場合、吐出し圧力(圧力計の値)は0.9倍となり約0.088MPa(0.9kgf/cm2)を示しますが、高さは水の場合と同じく、10mまで揚げることができます。
水と同じく10mまで揚げても、比重(質量)が小さくなるため、軸動力は0.9倍と小さくなります。
逆に比重が水より大きい場合は、揚程(高さ)は水と同一でも軸動力は比重倍で大きくなるため、注意が必要です。