できます。ただし、衛生上の問題から内湯と露天風呂は1台にまとめないでください。
〈理由〉露天風呂は土埃などと共にレジオネラ属菌が入りやすく、汚染されやすいので汚染された場合他の浴槽(内湯)に波及するおそれがあるため。
1.行うための必要条件(一般的な条件)
①浴槽どうしの連通管を設けること。
⇒連通管が無いと、ろ過運転中に水位バランスが保てず、時間とともに水位が減っていく浴槽と常時溢れてしまう浴槽になってしまいます。
②連通管で結ぶ浴槽は全て同一レベルで施工すること。(浴槽満水のレベル)
⇒ろ過運転が停止する毎に、レベルの高い浴槽の水が低い方に流れ、低い方の浴槽が溢れるため。
③全ての浴槽を同時に使用すること。
⇒使用しない浴槽系統のバルブを閉めるなどして、浴槽使用数を変えてろ過運転すると、循環バランスが崩れたり、浴水温度が安定しない、残留塩素濃度が高くなるなどの障害が起こり、安全で衛生的な管理ができなくなります。
※※テラルでは、上記「①連通管設置」および「②浴槽を同レベルで施工」を不要にした独自のシステム(特許第5597042号)もご提案出来ます。納入実績も多数ありますので、詳細はお問い合わせください。※※
2.その他の注意事項
①汚れの波及というリスクがある。
⇒1つの浴槽が汚染(糞・尿・洗剤などで)されると、連結した全ての浴槽が使用できなくなるというリスクを認識しておかなければなりません。特に営業目的の施設の場合、損害が大きくなると考えられます。
②温度差のある浴槽は困難。
⇒高温湯や低温湯など設定温度を浴槽毎に変えて運営されるケースを見かけます。これらを1台のろ過装置でろ過するには、浴槽毎に専用の熱交換器を設置して設定温度を変える方法での実例もあるようです。
しかし、複数の浴水が一旦ろ過装置部分で混合されるので、設定温度差が大きくなるにつれて温度維持が難しくなります。
③水質に差が出る?
⇒安定した浄化を行うためには各浴槽の容量に見合った循環量に調整しなければなりません。
各系統に流量計とバルブを設け、正しく水量調整することをお奨めします。
「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアル」が改正され、その中で、施設設備の「ろ過器を設置する場合にあっては、以下の構造設備上の措置を講じること。」として、「ろ過器は、浴槽ごとに設置することが望ましく、1時間当たり浴槽の容量以上のろ過能力を有し、かつ、逆洗浄等の適切な方法でろ過器内のごみ、汚泥等を排出することができる構造であるとともに、ろ過器に毛髪等が混入しないようろ過器の前に集毛器を設けること。」とされています。