1. 逆洗排水量の決定
砂式ろ過装置では長期的に安定した処理水を得る為に堆積した汚れをろ過タンクより排出する逆洗・洗浄という工程が必要となります。
この逆洗はろ過同様、用途によって逆洗LV(m/H)(線速度のこと)および十分汚れをろ過タンクより排出する逆洗時間が決まっており、ろ過タンクの大きさ(ろ過タンク断面積)で逆洗水量が決まります。
逆洗排水量VG(m3)=(LV/60)×ろ過タンク断面積(m2)×逆洗時間(min)
[逆洗流量QG(m3/H)=逆洗LV×ろ過タンク断面積]
2.用途による逆洗LVおよび逆洗時間
当社では以下の数値を標準値として決めています。
2.1 逆洗LV
循環ろ過方式 :逆洗LV=40m/H(風呂・プール・池など)
1パスろ過方式 :逆洗LV=35m/H(雨水・井水など)
2.2 逆洗時間
用途に関わらず毎日逆洗し、3分間/日(洗浄時間:1.5分間/日)
3.機種による逆洗排水量
≪BSF型・MSF3型≫
循環ろ過に使われ、当社標準ではろ過LV=40m/Hに設定されていますので、ろ過流量QR=逆洗流量QGとなります。
(例)水槽容量3t、6BSFの場合
ろ過流量QR=6(m3/H)、逆洗排水量VR=(6/60)×3=0.3(m3)となります。
通常、洗浄もセットで行われるので
洗浄排水量VS=(6/60)×1.5=0.15(m3)、総排水量VT=VR+VS=0.45(m3)になります。
≪TDT2型≫
1パスろ過に使われ、除去目的によりろ過LVが変わります。
井水処理(除鉄・除マンガン・除濁)・・・・・ろ過LV=10m/H
雨水処理(除濁) ・・・・・ろ過LV=20m/H
(例)井水ろ過TDT2-1000-AVの場合
ろ過流量QR=7.9(m3/H)
ろ過タンクの径がφ1000mmとなるので、逆洗排水量VG=(35/60)×0.785×3=1.3(m3)
循環式同様、洗浄もセットで行われるので
洗浄排水量VS=(10/60)×0.785×1.5=0.20(m3)
洗浄は原水を使用して行う為、処理水槽の総排水量VTは逆洗排水量VGになります。
総排水量VT=VG=1.3(m3)