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  • No : 548
  • 公開日時 : 2016/07/30 18:20
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易操作性1号消火栓の消火ポンプ選定のポイントは?

回答

易操作性1号消火栓とはどんなもの?
易操作性1号消火栓とは、一言で言えば1号消火栓の能力と2号消火栓の操作性を兼ね備えた消火栓で、平成9年から運用されています。 すなわち、1号消火栓と同じく、ノズル1個あたり130リットル/分の放水量、0.17MPa以上の先端圧力を持っています。
また同時に、2号消火栓同様一人でも容易に操作することができるよう、ホースはすべて取り出さなくても放水でき、起動は開閉弁の開閉又は消防用ホースの延長操作等と連動して起動でき、ノズル部分に開閉できる装置を設ける等の構造となっています。
設置基準は従来の1号消火栓と同じで、既存の1号消火栓をこの易操作性1号消火栓に改修することもさしつかえありません。
 
易操作性1号消火栓に使う消火ポンプはどんなもの?
従来の1号消火栓と全く同じもので、水量の計算方法も同じです。(消火栓箱1個の場合は吐出し量150リットル/分以上、2個の場合は300リットル/分以上)
また、揚程の計算方法も従来の1号消火栓と同様です。
但し、既存の1号消火栓より消防用ホースの摩擦損失が大きくなります。
易操作性1号消火栓のホース摩擦損失水頭はメーカーの表示値によりますが、それによると概ね20m~27m程度となります。 このため、易操作性消火栓用のポンプ(加圧送水装置)は、従来の1号消火栓のものよりは高い揚程のものが必要となります。
 
<解説>
昭和62年に発生した特別養護老人ホーム「松寿園」の火災を契機に消火用設備の技術基準、設備対象の範囲の見直しが行なわれ、新たに、これまでより小型で操作性を重視した2号消火栓が定められ、同時にこれまでの消火栓は1号消火栓と呼ばれるようになりました。
従来の1号消火栓は消火能力が高いのですが、操作のために通常2人以上が必要で、また消火栓箱内のホースを全部取り出さないと放水することが出来ないため、円滑に使用するには予め訓練等を必要とし、さらにホースを格納した状態から放水を開始するまでに時間がかかるものでした。このため、屋内消火栓の目的である初期消火において、1号消火栓の使用率は非常に低い状態にとどまっていました。 このような状況のもと、1号消火栓の新しい種類として、2号消火栓と同様、1人でも操作を行なうことが出来るよう操作性を向上させた消火栓の基準が定められ、平成9年4月1日より運用されることとなりました。(平成8年12月12日 消防予第254号 1号消火栓の取扱いについて(通知)による。)
尚、この易操作性1号消火栓は、厳密には消防法施行令第11条で定められた屋内消火栓設備ではなく、消防法施行令第32条(特例基準)を適用し、1号消火栓と同等に取扱ってよいその他の消火設備と位置付けられています。

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